私はと奴は結婚して6年目になる。
新婚気分もとうに抜け
(というか最初から熟年夫婦感すら出ていた)
お互い落ち着いてきた頃だ。
ちなみに奴は私より学年で12個上
ひと回り離れている。
はじめの頃こそジェネレーションギャップに驚きがあったものの
今ではそれにも慣れてきた。
さて、タイトルにもあるように
ここでは私が「あのさ」になった話をしよう。
そもそも先日5周年を迎えた結婚生活の中で
私は1度も名前で呼ばれたことがない。
交際当時は名前を呼ぶ以前にお互い相手を知ろうという気持ちで
会話が途切れたりすることもなかったので気づかなかった。
(この時点で私もちょっとばかりおばかであった)
しかし結婚生活ではもちろん「無言」からの「会話スタート」があるわけで
奴から会話を振るまさにその瞬間
「天馬ちゃんさ」等と軽く呼んでくれればいいものを
「あのさ」と言われる。
「あのさ、今週末どこかご飯行かない?」
「あのさ、今日お風呂先入ってもらえる?」
そう、会話の冒頭がかなりの確率で「あのさ」なのだ。
私の本名すらそんなひらがな3文字なわけがない。
「旦那に言えばいいじゃん」
友人に愚痴った時に、そう言われた。
誰もが思うことだろう、当然だ。
しかし私は最初に違和感を抱いたあの日から合計で5回は注意している。
「不快だ」とも告げた。
「お願いだから勝手に話し始めないで1回名前呼んでほしい」
と低姿勢気味にお願いもしてみた。
「なんか恥ずかしいんだよね~」
奴はニヤニヤしながらそう述べた。
私は確信した。
こいつは、モテたことがない。
相手を下の名前で呼ぶことすら恥ずかしがる
そして私と言えど、女の子が5回もお願いしてきたこと
しかもお金のかからないお願い事すら叶えることができない。
こんな奴がモテるわけがない。
ひとつ断言しよう。
私の方が、女子からモテてきた自信がある。
同居している義父母はもちろん私を名前で呼んでくれる。
私の実家に行った日なんか私を名前で呼ばないのは奴だけだ。
否、流石に弟も名前ではなく「姉ちゃん」と呼んでくるが。
そこに関しては当たり前の呼称だと思う。
別に
「貴方は私の名前も呼んでくれないの?〇〇ちゃんって呼んでよぉ、、すんっ」
と拗ねてるわけではない。
名前を呼ばずに会話されるという不快に感じた行為を何度も申し上げてるのに
一向に改善されない現状に腹を立てているのだ。
なんなら
「あぁ、こいつは頼まれてもできない奴なんだな、仕事できてんのかな」
くらいに思っている。
別にこれが原因で離婚するというような問題でもない。
私に日々積もっていく不満だ。
名前を呼ばれる日まで、積もり続けていくのだ。
ただこの不快が
ちょっとした別の喧嘩で発生した不快におまけを付けていることだけはご理解いただきたい。
ちなみに私は奴のことを「〇〇さん」とさん付けで呼んでいる。
せめてもの敬意のつもりだったが
そろそろ「お前」と呼んでも許されるのではないかと思っている。
義父母が一緒に住んでる手前、できるわけがないのだが。